32人が本棚に入れています
本棚に追加
ゾクリ。
背筋に冷水でも浴びたかのように寒気がした。
私はみんなには見えないのだろうか? もう一人の私しか私を見れないのだろうか?
訳も分からず動揺していると、先ほどの出来事を思い出した。
頭の中に聞こえた声、あれは何と言っていたか。『あなたはドッペルゲンガーです』だ。
私は怪談は苦手だが、その言葉は知っている。以前、怪談好きの友人が不親切にも教えてくれたのだ。
確かその話では……ドッペルゲンガーは自分の分身であり、姿形はまったく同じである。また、ドッペルゲンガーは影の存在であり、本物の自分に会うことは無いのだという。けれどもまれに本物と影が出逢ってしまうことがあるらしい。そのときは影がどこまでも本物を追い掛けて殺してしまう……とのことだ。
最初のコメントを投稿しよう!