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017
昼休み、私はいつもの集団とは別行動を取る。
「え、どうしたんだよ。シキシキ」と佐藤。シキシキ言うな。
「……な、何か悪いことしちゃったかな」と見当違いのことで、気にしすぎな祖父江。
「ちょっと、――ね」と、私は目配せで語る。
それを見て、鈴屋と瀬尾は勘違いしてくれたようだ。
「うん、それじゃアタシ達は食堂にいるね」と鈴屋はみんなの背中を押して連れてこうとする。
「……っ」心配そうに見つめる瀬尾。この子、目はするどいけど根は優しい子だ。
「――さて」みんなには悪いが、騙してしまった。
どうしても、私には解決しなきゃいけない相手がいる。
そのためには、どうしてもこの時間は食堂にいることはできないのだ。
「そこか」
ドアをちょっと開けて、教室にいる私をのぞいていた人物――クルメは気付かれたのを察知すると踵を返して逃走した。
私は、テクテクッと――走りはしないけど、かなり早い歩き速度で彼女を追う。
現在、三階の廊下。
018
クルメ――赤と黒のパーカーのガスマスク。
目立って分かりやすい彼女は、すぐに見つけられた。
「二階か」
どれだけ早い足並みか、二階の廊下を歩いていた。
私はすぐそちらに向かう。
019
「え、一階?」
だが、二階に着くともういなかった。彼女は中庭にいた。
私は一階の中庭に向かう。
020
「――にかい?」
今度は、二階にいた。
私は、中庭から彼女を見上げる。
ニィッ――と、クルメは笑っていた。(片目だけで判断)
あいつめ、と私は二階へ。
021
二階に行くと、また彼女は中庭にもどっていた。
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