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迷った末にユズナはタコの足の串焼きを買うと、
木箱を逆さに置いただけの椅子に腰掛けてかじりついた。
故郷にも同じような料理はあるが、
異国で口にするものは、
やはり違う味がする。
(でも、
美味しいことには変わりがないわね)
とユズナは思った。
騒ぎに気が付いたのは、
シオンの方が先だった。
二人がいる露店から三十ヒロ(約六十メートル)ばかり離れたところで、
悲鳴が上がった。
石畳の上に、
何か大きい、
丸太のようなものが横たわっている。
ただ、
伸びたり縮んだりして動いていることから、
丸太ではなく、
生き物であるようだった。
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