第1章

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 船は港へ進む。 波頭が崩れ落ちると、 無数の泡が生じた。  波の間に落ちた小さな影に気が付いて、 シオンは空を見上げた。 「あれは……」 「どうかしたの?」 「竜……おそらく、 竜騎兵だ……」  ユズナもまた、 空を見上げた。  ずいぶんと高いところを飛んでいるらしく、 ユズナ達の眼には鳥のように小さく映る。 それでも鳥とは違う、 竜である特徴が見て取れた。 長く伸びた首、 四つ足を備えた強靱な体躯、 首よりも長い尾。 巨大な翼が虚空を切り裂いている。 「あれが……竜騎兵……」  竜を見るのは、 初めてのことだった。 「何処へ行くのかしら……」  陽の光が眩しくて、 ユズナは目を細めた。
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