千葉県房州・歯止めのかからない半島

3/4
前へ
/4ページ
次へ
デナレンジャージンと杏は、 仲良くカフェラッテマリーンズ対DeNAの交流戦を観戦していた。 ジンはもちろん熱烈なDeNAファン。試合は五回まで拮抗した投手戦が続いていたが、 六回の表、とうとうDeNAがノーアウト一類のチャンスを掴む。 ジンはここぞとばかり大声張り上げて応援。 杏はうんざりした風を見せながらも、らしさ全開のジンを隣にして満更でもなく、幸せそうに、楽しそうにしていた。 が、ここで事件が起こる。 DeNAは七番打者鈴田が見事にセンター越二塁打!黙っていてもノーアウト二塁三塁になる好機! ……のはずだったのだが、一塁ランナー駒木が突如本塁へ突入せんとランナーコーチの制止を振り切り三塁回って暴走、憤死。 あまりの無謀さにDeNAファンの怒号が飛び交うなか、続いて打者鈴田が二塁回って三塁へ突入。まさに暴走としかいいようのないとんでもない走塁だったが、何とかこれはセーフに。 DeNAファン阿鼻叫喚の中、ジンは不幸中の幸いとホッと胸を撫で下ろす。 が。 なんと鈴田はサードがボールを持っているにも関わらず本塁への突入を試みる。当然タッチアウト。 さすがにこのプレーには球場全体にクエスチョンマークが浮かび上がる。 「こいつら一体何を考えているのか………」 ジンも他と同じくそのプレーを前に呆然と立ち尽くす。理解不能のプレーに怒りが込み上げてくる。胸に熱いものが込み上げてくる……… しかし、胸が熱いのは怒りが原因ではなかった。 胸ポケットに入れていたスマホが熱暴走を起こしていたのだ。周囲を見ると、皆スマホを熱がって外に出している。もちろん杏も例外なく。 続いて球場の外から爆音。何事かと急いで見に行くと暴走族が暴走していた。 まさに暴走づくめ。 さすがに異変に気づくジンと杏。 「これはジャアーク団の仕業に違いない!」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加