下駄箱レターの真実 (西原先輩side)

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10月のとある放課後。 部活が休みであれば特に用事のない俺は、久々に早く帰るかーとややのんびりした気持ちで廊下を歩いていた。 「おっ、西原お疲れー」 「うん、お疲れ」 クラスメートが背後から俺の肩をポンと叩いたかと思うとあっという間に走り去って行く。 俺は、廊下は走らない、という張り紙を横目に見やった。 小学生のような張り紙だが、それを無視するのは小学生より質(たち)が悪い気がする。 さすがに、こけるなよーって言うのは野暮だよなぁ。 もうすでに見えなくなったクラスメートに苦笑を送ったところで、下駄箱の近くに由真の姿を認めた。 すぐに、お疲れと声をかけようと思ったけど、由真はなにやら険しい表情で紙を見つめていた。 とても近づいているわけではないので、紙の内容まではわからないけれど。
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