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由真の険しい表情。
そこから動こうとしないで下駄箱で立ち尽くしているところ。
微妙に震える手。
総合的に判断しても、ラブレターでないことは確かだった。
「ゆ……………」
声をかけようとして、すんでで立ち止まる。
今、声をかけて何て言うんだ。
それは何?どうしたの?
そう問いかけて由真が素直に答えるだろうか。まだ話をするようになって2~3ヶ月の俺に。信用されているという自信もないのに。
そうグダグタ考えたところで、俺は頭をかかえた。
おかしい。こんなに面倒くさい性格じゃないのに。
なんだってこんな、取り乱しているんだ、俺は。
そうこうしているうちに、由真は何かを決意したのかやや覚束ない足取りで校舎を出ていった。
「どうしよう………」
確証は、ないんだけれど。
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