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教室の戸を開けたら、そこには文字があった。筆で教室の床に昨日まではなかった落書きが施されていた。
『第一問、昨日の教室と今日の教室で違うところはどこでしょう°.*\( ?o? )/*.°』
うわぁ、うざい…などということは、思っても口にはしない。誰だ、こんな(うざい)落書きをした奴は!と、思わず声を上げようとした時、僕の後ろから声が聞こえた。
「う?ん、誰だろうねぇ、こんなお茶目な落書きをしたの。筆なんて、風流だねぇ、乙だねぇ~」
うん絶対に書いたのこいつだ、とほとんど確信しながら振り返るとそこには教頭がいた。
予想外の展開だ。僕は衝撃でよろめいた。なんで教頭がこんなことを…?日々の雑務で頭がおかしくなったか…!?
…と思ったらそれは教頭の人形だった。そして、その後ろには人影があった。
なぬっ、本命はこいつか!?と、慄いた僕の肩にぽん、と手がのった。
人影に注目していた僕は後ろからの予想外の襲撃(?)に飛び上がった。そこには友人のAがいた。
「驚いた?その人影はフェイクだよ。君ともあろう人がこんなハッタリに騙されようとはね。」
教頭の後ろの人影はマネキンだった。
おい、A、お前こんな手間がかかるイタズラして、何がしたいんだよ、と、Aの肩を揺さぶろうとした。
Aの肩はどうしても掴めなかった。Aはトリックアートだった。肩に置かれたと思った手はただ僕が教頭の背後の人影に慄いた時にぶつかった木の枝だった。
え!?じ…じゃあこのイタズラは誰がやったんだ!?
そう思い、一時停止していた僕に、上から声が降ってきた。
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