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江雪は優しい手つきで僕の口から流れたものをハンカチで拭うと最後に軽いキスをしてきた
完全に惚けてしまった僕は体をめぐる熱に身を任せていた
「・・・雫」
江雪に呼ばれ顔を上げた時に教室から大きめの井上先生の声が聞こえてきた
「おい!入って来い」
「チッ」
江雪は舌打ちをするといくぞっと言って車椅子を押し始めた
ガラガラ
中に進むとクラス中の視線が集まったが僕はそれどころじゃなかった
僕の様子を見た彼らがどうなっていたのかも知る由がなかった
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