第1章

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!!! 教室の窓が 目に入った瞬間 今まで忘れていた記憶が 一気に フラッシュバックした。 サイゴに 覚えている景色は 窓から見下ろした 広いグラウンド。 窓枠の上に乗っている 自分の 両足。 そして 窓につかまっている 震える自分の両手。 そして… 「…きゃあぁぁあ!」 足を 踏み外して 落ちていく景色… ! 「わ、たし…」 カラカラになったノドから ようやく声を絞り出した。 「わたし 死んだの…?」 死神さんは うん、とも ちがう、とも 答えなかった。 言ってはいけない 決まりなのかもしれない。 ただ切なそうな顔を 私に向けるだけだった。 「…野上ってのは」 少しの沈黙の後 死神さんが 口を開いた。 「同じクラスの、ヤツか?」 優しい顔で そう聞いた。 「…うん。同じクラス、で、隣の席のコ…。」 自分が死んだっていうのに 私の気持ちは 妙に落ち着いていた。 野上の顔した死神さんが 側に いてくれてるからかもしれない。 「…好きだった?ソイツのこと…。」 ! 死神さんには お見通しらしい。 「うん。好き、だった…。」 野上じゃないって分かってても 外見は野上そのもので まるで本人に告白してるみたいな気分になって 妙に 照れくさい。 「そっか…」 死神さんは 少し考えてから こんなことを 教えてくれた。 「死神はさ、実体がないんだよ。 だから、その人が最期に強く想った人間に、見える。」 ! それって… 「お前はきっと 『野上』のことを強く想っていたんだろうな。」
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