第1章

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…ポタッ。 なぜか 涙がこぼれてきた。 野上…。 いつからだろう? いつも明るくて クラスの人気者で なのに 時々 すごく 悲しい瞳で どこかを見つめてる。 そんな野上に 目がいくようになったのは。 そのまま 消えてしまうんじゃないか? という 儚さを帯びている瞬間があって なぜか ほっとけない そんな感情を 抱くようになったのは…。 「そんなに 大切、だったのか?」 「た、いせつ、だった…のかな。 いつも明るくて、優しくて、でも…なんでか、悲しそうで…。 ほっといたら、消えてしまいそうって、いつも思ってた。 私なんかじゃたいして役にも立たなかったかもしれないけど、 それでも少しでも、野上の笑顔を守りたかった…。」 ! 野上の笑顔が 頭に浮かんだ時 さっきと同じ また記憶が なだれのように 私の頭に流れ込んできた。
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