第1章

14/14
前へ
/14ページ
次へ
~~~~~~~~ バタン…。 扉が閉まると同時に オレは その場に崩れ落ちた。 さっきまでの高揚した気持ちは 微塵もなくなっていた。 オレは… オレは なんてバカなことを…! 自分の欲を 抑えられなかった。 結果 先ほどまでと同じような いや 自ら望んで さらに倍の苦しみを 自分に課したのだ。 異世界に入った瞬間に 失っていた異世界での記憶が オレには戻ってきていた。 10000万枚の扉を 精神がめちゃくちゃになるほど苦しみながら なんとかクリアした あの時の記憶が。 オレは無駄と分かっていながら すがる気持ちで 今自分が入ってきた扉を 開けてみた。 予想どおり 「アイツ」も 弓池も 20名ほどいた女どもも みんな いなくなっていた。 机も イスも 窓すら ない。 無機質な教室に 変わっていた。 「…ハ!ハハッ!アハハハハハハ……!」 オレは本当に どこまで浅はかで 欲にまみれた人間なんだ。 なぜまた この苦しみのループを 選択した? たかが 「女が抱ける」 それだけの理由で。 「ハハ!ハハハハハハハ…!」 オレは奇声にも近い笑い声をあげながら 奥の扉に突進していった。 涙が溢れてくるのに 笑いが止まらない。 もう どうにでもなれ。 早めに精神崩壊したおかげで 余計なことを考えずに しばらくは進むことができた。 そしてまた 笑ったり 泣いたり 血迷って逆走したり クリアして 報酬を受け取ったり またゲームに挑戦したり そんなことを繰り返しながら オレは 無限のループに 挑み続けた―――
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加