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「おかえりなさい。」
「は?」
バタン。
後ろで
オレが今開けた扉の
閉まる音がした。
あ…れ?
オレ今
奥の扉を
開けたはずじゃ…?
「無事クリアなさいましたね。
お待ちしていましたよ。」
え?
コイツ、何言ってんだ?
オレは今から
1000万個の教室を
通過しに行かなきゃいけないはずじゃ…?
!
そこで
さっきコイツが言ったことを思い出す。
『その扉の向こうは、いわば異空間。
異空間にいる間に時間が流れようと、こちらの現実世界では、時間はたっていないのです。』
『もっと言うと、あなたが現実世界に戻って来た時、1000万個の扉を開けてきた記憶は、全く残りません。』
…!
つまり、オレは
記憶がないだけで
1000万個の教室をクリアしてきたのか!?
「では、約束通り…」
弓池が
オレの前に立った。
「どうぞ、お好きになさってください。」
!!!
何だよ、コレ!
何だよ、コレ!!
マジで最高じゃねーか!?
オレは奥の扉から出て
手前の扉から入って来るって
マジックみたいなことを
ただ体験しただけだぞ!?
それのご褒美が
コレって…
マジかよ!!
オレは弓池を抱きながら
何度も昇天して
そんなことを頭の中で叫び続けた。
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