第1章

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~~~~~~~~ 「おかえりなさい。」 「は?」 バタン。 後ろで オレが今開けた扉の 閉まる音がした。 あ…れ? オレ今 奥の扉を 開けたはずじゃ…? 「無事クリアなさいましたね。 お待ちしていましたよ。」 え? コイツ、何言ってんだ? オレは今から 1000万個の教室を 通過しに行かなきゃいけないはずじゃ…? ! そこで さっきコイツが言ったことを思い出す。 『その扉の向こうは、いわば異空間。 異空間にいる間に時間が流れようと、こちらの現実世界では、時間はたっていないのです。』 『もっと言うと、あなたが現実世界に戻って来た時、1000万個の扉を開けてきた記憶は、全く残りません。』 …! つまり、オレは 記憶がないだけで 1000万個の教室をクリアしてきたのか!? 「では、約束通り…」 弓池が オレの前に立った。 「どうぞ、お好きになさってください。」 !!! 何だよ、コレ! 何だよ、コレ!! マジで最高じゃねーか!? オレは奥の扉から出て 手前の扉から入って来るって マジックみたいなことを ただ体験しただけだぞ!? それのご褒美が コレって… マジかよ!! オレは弓池を抱きながら 何度も昇天して そんなことを頭の中で叫び続けた。
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