第1章

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オレは再び体を反転させ 逆走してロスした分も 取り戻さなくては、と またひたすら 進み続けた。 進んだり 笑ったり 泣いたり たまに血迷って逆走したり そんなことを繰り返しているうちに 笑ったり 泣いたり 血迷ったりするまでのスパンが 少しずつ 少しずつ 延びていって 「無」になる時間が 増えてきた。 そのおかげで ただ黙々と扉を開け続ける、という作業を 長時間(実際にはどれくらいの時間か分からないけれど) 継続できるようになってきた。 この時のオレは 本当に何も考えていない「無」の時間と 欲に負けて軽々しくゲームを受けてしまった自分への 「後悔」の時間と そして クリアした時に待っているご褒美を想像して モチベーションを上げるい「やる気」の時間で できていた。 だいたいが 無→後悔→やる気 という順番で襲ってくることが多かったし そうじゃないことも たまには、あったりした。 その時はちょうど 「後悔」から「やる気」にかけての時間だったと思う。 オレは 「アイツ」とのやりとりを 鮮明に思い出していた。
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