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キスをするために
首筋に回された弓池の腕が
オレたち2人の距離をほぼ皆無にしていて
弓池の人一倍大きなその胸が
オレの乳首あたりに
触れたり
離れたり…。
も、う
ガマンなんてできるかよ!
しびれを切らしたオレの右手は
弓池のその、はちきれんばかりの巨乳に
吸い寄せられるように距離を縮めていくと
ついに、そこに
到達…!
「はい、もういいですよ。」
…しなかった。
「アイツ」がそう言った瞬間
弓池は
今までの甘いキスがウソだったかのように
オレからスッと離れた。
「どうですか?私の言う事、少しは信じて頂けましたか?」
いやらしい顔で「アイツ」が笑う。
…クソ!
信じるも何も
目の前にこんなうまそうなエサをぶらさげられた状態で
アイツの「ゲーム」を断れるほど
オレの精神は強くねぇよ!
「…ようは、異世界でオレが1000万枚扉を開けてくるのにどれだけ時間がかかろうが、現実世界では全く時間は経ってない、てことだよな?」
「はい、その通りです。もっと言うと、あなたが現実世界に戻って来た時、1000万枚の扉を開けてきた記憶は、全く残りません。」
「!じゃあ現実世界のオレは、奥の扉を開けて手前の扉から出てくる、ただそれだけの動作をするってだけなんだな?」
「その通りです。」
何だよ、それ…。
仮に「アイツ」の言うことが本当だったとして
オレは異世界にいる間だけ、1000万枚の扉に苦しみはするものの
現実世界では、ほぼ何も起きてないのと一緒じゃないか?
そんなことで
弓池を抱けるなら…
「分かったよ。やってやるよ、そのゲーム。」
結局オレは
目の前の欲に負けて
まんまと
ゲームへの挑戦を表明してしまったのだ。
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