第1章

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キスをするために 首筋に回された弓池の腕が オレたち2人の距離をほぼ皆無にしていて 弓池の人一倍大きなその胸が オレの乳首あたりに 触れたり 離れたり…。 も、う ガマンなんてできるかよ! しびれを切らしたオレの右手は 弓池のその、はちきれんばかりの巨乳に 吸い寄せられるように距離を縮めていくと ついに、そこに 到達…! 「はい、もういいですよ。」 …しなかった。 「アイツ」がそう言った瞬間 弓池は 今までの甘いキスがウソだったかのように オレからスッと離れた。 「どうですか?私の言う事、少しは信じて頂けましたか?」 いやらしい顔で「アイツ」が笑う。 …クソ! 信じるも何も 目の前にこんなうまそうなエサをぶらさげられた状態で アイツの「ゲーム」を断れるほど オレの精神は強くねぇよ! 「…ようは、異世界でオレが1000万枚扉を開けてくるのにどれだけ時間がかかろうが、現実世界では全く時間は経ってない、てことだよな?」 「はい、その通りです。もっと言うと、あなたが現実世界に戻って来た時、1000万枚の扉を開けてきた記憶は、全く残りません。」 「!じゃあ現実世界のオレは、奥の扉を開けて手前の扉から出てくる、ただそれだけの動作をするってだけなんだな?」 「その通りです。」 何だよ、それ…。 仮に「アイツ」の言うことが本当だったとして オレは異世界にいる間だけ、1000万枚の扉に苦しみはするものの 現実世界では、ほぼ何も起きてないのと一緒じゃないか? そんなことで 弓池を抱けるなら… 「分かったよ。やってやるよ、そのゲーム。」 結局オレは 目の前の欲に負けて まんまと ゲームへの挑戦を表明してしまったのだ。
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