第1章

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教室の戸を開けると、 そこには 開けたはずの戸が、あった。 「?」 おかしい。 今さっき、自分はごく普通に、戸を開けたはず… だが…。 狐につままれた様な気持ちになる。 と、そこへ。 「おーい、何やってんだよ、早く入って来いよ」 クラスメイトの声が聞こえてきた。 「あ、あぁ」 さっきは恐らく、ボケっとしてたかなんかだろ。 強引に自分を納得させ、戸に手をかける。 ガラッ よし、今度は確実に開けた。 絶対に。 だが、目の前には見慣れたはずの教室の風景はない。 軽い目眩を感じた。 ちょっと待て、意味がわからないんだが。 混乱、する。 教室の中から、クラスメイトが何やら言っているが、その声など耳には入ってきていない。 「何だよ、これ…」 気持ち悪さと、焦りにも似た気持ちを感じながら、俺は三度目の戸を開けた。 ガラッ
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