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第2章
戸を開けるのに、恐怖心があったせいか、目をつぶりながら戸を開けた瞬間、身体がビクついた。
「は…?」
まばたきをした。
俺はなぜか天井を見ている。
頭の中はますます混乱した。
さっきまで、俺は教室の前にいたはずだ。
なのに今は自分の部屋、自分のベッドの中にいた。
…夢でも見てたのか。
嫌な汗をかいたせいで、身体がベタベタして気持ち悪い。
「いつまで寝てるの~?」
廊下から、母親の声が聞こえた。
やっぱりさっきまで、変な夢を見ていただけなんだ。
「もう起きてるよ」
シャワーでも浴びて、もやもやした気持ちと汗を流してしまおう。
ドアノブに手をかける。
ガチャッ
「…」
あれ、夢だったんだよな?
俺は、今、目は覚めてるよな?
震える手で、再度ドアノブに手をかける。
ガチャッ
「…!」
「早く起きてきなさいよ~」
日常の母親の声。
それに対して、今自分の目の前にある、
非日常。
開けたはずのドアが、
閉じられたまま、行く手を阻んでいる。
再びパニックになる。
なんで。
どうして?
俺は間違いなく、開けた。
夢なら覚めてるはずだ。
なのに。
だったら、なぜ?
この状況は、一体何なんだ…!?
助けを呼びたい一心で、口にする。
「…ッ母さ」
ガチャッ
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