第1章

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一週間前。 実は水曜に限って僕はかなりの高確率で謎の寝坊をしている。 しかし、他の曜日では結構間に合っている(たぶん)。 まあ一時間目に登校することは世間一般では当たり前ではあるだろうが、僕にとっては全く勉強をしていない状況でテストを受けることと同じぐらい難しいことなのだ。あー、ごめん。それは解けるわ、今のなし。 まあ例えは何でもいいとして、何故か水曜日は朝起きることができないのだ。 とはいっても遅刻ぐらいでどうしたと思っていた。 ぶっちゃけ高校なんて舐めていた。舐めまくりだ。終礼が終わり、放課後になったと思いきや、僕は担任の先生に呼び止められた。 「井戸田、ちょっと来い」 「なんですか?」 多数の遅刻以外に何かしたっけ? 「お前ちょっと遅刻しすぎだろ。もしこれ以上したらお前は留年することになる」 「……え? ん? 高校で留年ですか?」 「そうだ。高校三年生の卒業間際に留年が決定する」 先生はトーンを落とし、間髪入れずに答えた。 「高校で留年って、都市伝説とかじゃないんですか!??!?」 「残念ながら、現実だ。寝て、起きて学校に登校するだけだ。簡単だろ? それと、お前水曜日以外でも結構遅刻してるぞ。」 その簡単と言われていることがあなたの授業の時だけ、とても困難なことなんですよ、と心の中で責任転換した。そう、僕は悪くない。 なんて現実逃避をしていると先生はもう一度と再忠告してきた。 「これはお前の自己責任だ。自覚を持て。もう一度言うがあと一回でも遅刻するとお前は留年だ。わかったか?」 この人は超能力者か。というか、僕の遅刻回数も凄まじいな。逆に尊敬してほしい。 「次遅刻したとしても、先生なら一回ぐらいは救ってくれますよね?」 「今日がその一回だ」 「そうですか・・・・・・」 残念ながらこれは本当らしい。 伝えることを言い終えると、先生はじゃあなと言って職員室の方向へ歩き出した。 このような話を伝えられたわけだが、僕にはまったくもって遅刻しない自信がない。清々しいほど皆無だ。 とはいっても、僕だってわざと遅刻をしているわけじゃない。何故か朝早く起きることができないんだ。 しかし、来週からは一回も、一分一秒遅れることはできない。これは気合を入れ直さなくては。 よし、これからは課題があったとしても、関係なく十時には寝てしまおう。それならいくらなんでも起きられるだろう。これは間違いなく間に合う。
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