第1章

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「……あれ? ここは?」 目を覚ますと電車は停車していた。ずいぶん寝てしまったらしい終点まで寝過ごしてしまったのだろうか。 そして、電車内を見渡すと誰も乗っていなかった。 全員降りてしまったのだろうと思い、僕も少し駆け足で降車した。 僕が下りるのを待っていたかのように、僕が下りるとすぐに発車してしまった。 「さて、僕はどこまで来てしまったんだろうか」 駅から見える周辺の風景は、何もないのだろうかと思わせるほど殺風景だった。 否。何もなかった。 建物もなければ、田んぼもない。 「なんか気味悪いな。心なしか少し寒くなってきた」 場所はどこだかさっぱり見当つかないが、とりあえず駅名を確認しようと考え、ホームを歩き始めた。 しかし、歩いても歩いても駅名が書かれている看板は見つけることができず、そのままホームの端までたどり着いてしまった。 「はあ? 何ここ?何もないじゃん」 家とは一転、弱々しく八つ当たり気味の声で小さく叫んだ。 とりあえず降りた場所に戻ろうとしたところで背後から何者に口を塞がれ、僕はそのまま意識を失った。
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