黒煙のレクイエム【THE・END】

110/144
前へ
/144ページ
次へ
ところ変わりまして、新宿駅西口にありますヨドバシカメラの前にて… ヨドバシカメラの前の通りは、ひとりの女性が複数の男とイチャイチャしているグループや女子会帰りの女のコのグループたちなどでにぎわっていたのでありました。 通りのスピーカーからは、愛本健二さんと美貴じゅんこさんのデュエット曲『浅草めぐり逢い』が流れていました。 ひろこはこの時、通りかかった20代の男性に声をかけまして逆ナンをした後に男と腕を組んでイチャイチャしていたのでありました。 アタシは、遅れてひろこと男のあとをつけようとしていましたが、この時にアタシは再現ドラマプロデュース会社を経営しているカレと再会したのでありました。 「こずえ…」 「ワッ、びっくりするじゃないのよ!!」 「何だよその言い方は…せっかく会えたと言うのにつれないな…」 「何なのよあんたは…アタシこれからひろこの尾行に行くところだったのにぃ…」 「だから悪かったよぉ…こずえと会えたからうれしいので…つい…」 「だから、何でアタシにいきなり声をかけて来たのよ!!そんなことよりも、あんたが以前言っていたひろこのヒメゴトを知っていると言っていたようだけど…そろそろアタシに話してくれるかしらねぇ…」 「分かったよ…その前に…」 「何なのよその前にって…」 「いや…何でもねえ…」 「何なのよあんたは!!言いかけていることはきちんと言いなさいよ!!」 「分かったよ…その前に…こずえを抱きたい…」 「アタシ…明日ブルーデーなのよ…」 「ブルーデー…いいじゃねえかよ…今日のうちにこずえを…」 「イヤ!!今日はそんな気分じゃないのよ!!」 「そう言うなよぉ…」 カレは、アタシの右腕を思いきり引っ張ろうとしていましたので、アタシは『やめて!!』と言いましてカレの右手を振り払ってからこう言ったのでありました。
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加