黒煙のレクイエム【THE・END】

「こずえちゃん…頼みがあるのだけどいいかしら?」
「えっ？頼みって…」
「こずえちゃん、夕べの男性のグループのお客様ね…持ち合わせがなくて飲食代の合計10万9800円が払われていないの…それで、夕べはうちの店にとどまっていただいたの…だけど…ご家族と連絡が取れないので困っているのよ…こずえちゃん…お願いがあるのだけど、お客様の飲食代10万9800円と山梨へ帰る特急列車のキップ代と合わせて20万円を立て替えてほしいのだけどいいかしら…」

ママは、アタシに言いにくい声でお客様のグループの飲食代と帰りの特急列車のキップ代を立て替えてほしいとお願いをしましたので、アタシはしぶしぶ20万円を現金で払ったのでありました。

この時でありましたが、アタシはママからのすすめでグループのリーダーの男性の長男さんとお見合いをすることになったのでありました。

アタシはこの時『結婚をしたくないと思っていたのに何なのよもう…』と思っていました。

そこからまた、新たな悲劇が始まろうとしていたのでありました。