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知らせ #2
小さく見える、校門の横に置かれた、古い自販機を指差し簡単に応える。
軽く和を、馴染ます様に私は、笑顔で、そうよ!――と、ウインクをして、可愛い女の子を作ってみた。
途端に又、静まる空気――。
「桜、まぁ座れよ」
二人は膝に有るらしき、何かを黙って片付け始める。
「ねー、さっき二人で何してたのー?」
「それは秘密だ!」
「絵を描いてたんだよ!龍のアホ面をなっ」
流すかの様に啓は、上手く私の言葉に返したが、龍をカバーして居る事は明らかに、解った。
面倒が苦手な私は、敢えて無理矢理、二人の会話の内容を、聞かない様に笑顔を偽り、啓の言葉を、かばう。
「なーんだ!つまんないのー」
私は、一言だけ返し、啓に合わせて話を流した。
そして、二人に気付かれない様に、会話を変えたい思いで居た。
少しだけ、ボーっと、ゆっくり揺れる、銀杏の大きな幹に、見取れて居る様に見せる。
その後、明るい話題を思い付いた私は、口を開き掛けた――。
「龍、そろそろ話しようぜ」
啓は初めから、計画して居た様に、私が話を反らす前に、自分から、素早く龍に質問すると、苦笑いして見つめ始めた――。
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