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大きなあながあいていた
風が下へと伸びていく
いつもの光景を想像していた私は、踏み出しかけていた足を咄嗟に引いた。
扉に手を添えていて助かった。扉の際すれすれの穴を前に自分の行動に感謝する。
足元に広がる穴は暗く底が見えない。流れる風に揺れるコートに意識を戻され、自分の立っている場所を自覚し恐怖した。
立っているのも怖い
ゆっくりしゃがみ込み恐る恐るあなの壁を撫でてみた。
つめたい
綺麗に整えられた淵と垂直に伸びる壁。ひんやり少し湿ったそれは恐らく土。
なにもない。つくえもいすも、鞄も。
辺りを見回し荷物の存在を自覚した時、私の腕には鞄がかけられていた。
そんなはずはない。
確かに机に置いて来た。
暑くなるからと短く揃えられた首には汗が滲み、気が付くと目の前には扉があった。
なかからは声が聞こえる。
時間が迫り慌ただしい様子を感じ、私は扉に手をかけた。
教室の戸を 開けたら、そこには
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