第1章 あの空の向こうに

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第1章 あの空の向こうに

蝉がうるさい真夏が過ぎて、 少し涼しくなった今 私は1人公園でアイスを食べていた。 ソーダ味のそれは、 中にバニラアイスが挟まれていて夏にぴったりな奴だ。 まぁ、今の時期だとけっこう寒いけど。 木の棒を舐めとって、ゴミ箱へ投げる。 重い腰を上げ、私は歩き出した。 近所のガキンチョ共が跋扈する、 遊具がブランコとすべり台、砂場しかないような よくある寂れた公園である。 それでも私はたまの息抜きに、 遊具で遊ぶでもなく訪れていた。 去年の夏頃、約一年前ここへ訪れた時、 不思議な感覚に囚われたからだ。
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