0人が本棚に入れています
本棚に追加
その抜けるような空を見上げた瞬間、
自分が鳥になった様に空に近づいた。
先程まで視界の上半分は木の陰だったのに、
視界の全てが青だった。
雲ひとつなく、それが本当に空なのかも分からず、
私はあっけに取られる。
間もなくして、
今度は引き寄せられるように山が出現し、
私はその稜線ギリギリをすごい速さで超えた。
超えた先に広がるのは
黄金色の麦が地平線まで茂った大地。
地平線には山一つなく、
黄金色と蒼色が大地と空を分ける。
爽やかに吹きつける風が麦を波立たせ、
それはまるで大海原だった。
最初のコメントを投稿しよう!