第1章 あの空の向こうに

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その中に佇むものを見つけるのに、 そうかからなかった。 赤い髪と白い衣服を風になびかせ、 ただただ立っている。 私はその人にゆっくりと 自分が近づいていることに気付いた。 段々とその人影は大きくなり、 それが女性だと分かる。 彼女の表情までは分からないが、 ぴくりとも動かなかった。 やがてずっとその女性を眺めていると、 どこからか動物たちが現れた。 それは象だったり、キリンだったり、 リスだったり、鹿だったり……… 動物園にいるような動物たち…… それらがゆっくりと彼女の背後から現れ、 横一列に彼女の後ろへ並んでいく。 その景色は荘厳で、私は息を呑んだ。
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