第1章

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「二年と四年の教室だったから、一羽目は三年生のところでしょうか」 「うーん、鶏は案外高い所が好きなんです。まず屋上見てみましょう」 「え、ええ・・・うひゃっ!」 手の中でもぞもぞと羽の生えた生き物が動き、私の両手は震えました。 「持ちましょうか」 「お、お願いします!・・・じ、実は鳥がちょっと」 「そ、それは失礼しました」 小山先生は抱えた二羽の鶏の上にもう一匹を乗せました。 「はい、ちょっとおとなしくしててね~」 人懐こい笑顔で鶏に話しかける小山先生。 屋上に続くドアを開けると、雨上がりの清々しい秋の空気が流れ込みました。
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