モヤモヤの理由

22/39
前へ
/39ページ
次へ
冗談混じりに言った言葉だと気づいたけれど、あたしはあり得ないほど頬を真っ赤に染めてしまった。 「ど、ど、どっちって、何がですかっ!」 それでも慌ててそれに答えようとしたけれど、自分でも何を言っているのかわからなくなってしまって。 「俺と仁、どっちの方がイイカラダだった?」 なんて、凪さんは笑いを堪えながら訊いてきた。 「し、知りませんっ! ……もうっ、凪さんの馬鹿っ!」 あまりにも恥ずかしすぎて凪さんに『馬鹿』なんて言葉を投げつけて、そのまま逃げるように寝室から出てしまった。 そんなあたしに、凪さんはまた笑っていた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

391人が本棚に入れています
本棚に追加