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「いや、いいよ。俺が淹れたくて淹れるんだから。彩葉は座ってな」
そう言われてしまうと、中途半端に上げた腰をまたソファーに下ろしてしまった。
こんなにすぐに引き下がらなくてもいいのにって思うけれど、こういう状況だといつも凪さんに押しきられてしまうから、身体が自然とこんな風に動くようになってしまっていた。
「はい、どうぞ」
目の前のローテーブルにコトンっと紅茶のカップが置かれる。
「ありがとうございます」
凪さんはコーヒーの入ったカップを手に持ったままあたしの隣に腰かけた。
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