第1章

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「うぅ…………ん…?」 何かの裂け目に吸い込まれてから凄く長い間眠ってた気が…いや、気絶してたのか自分は…。自分は起きてすぐ周りを見渡した。 「!? ここは……」 僕は自分の目を疑ってしまった。 その場所は多くの竹で囲まれた森…いや、竹林(ちくりん)っていうのかな… 「神社の周りに…こんな場所が…?」 僕の神社の裏には少しだけだけ竹が生えているけど…こんなに多くは生えていないはず… いや…そもそも僕は家に帰って来てばかりなのに…なんで…? 僕は自分の身に何が起こっているのか、全く理解出来なかった。 でも、このままここにとどまっていてはいけない…それだけは本能的に理解出来た。 「早く…戻ろう…。」 僕はこの竹林から出るために少しずつ歩き始めた。でも…なんでこんなに霧が…まぁいずれにしろ、歩いてたら出られるだろう。そう思っていたのは良かったのだが、いくら歩いても、いくら歩いても竹林に終わりは見えない。それどころか、より竹林の奥へと歩いているように感じた。全く終わりが見えない…。 「このまま無事に帰れるのかな…」 歩き始めてから大体、6時間…まだ終わりが見えない…僕は身体的にも、精神的にも限界が来ていた……もう…ここで終わるのも…悪くないかな… 「おぉーい、そこの人~どうしたの~」 後ろから突然誰かの声が聞こえた。僕は急いで声のする方に振り向いた。しかし、僕は驚く光景に腰が抜けてしまった。なんと、兎が2足歩行で歩いてる…さらに…その兎が……喋ったのだから…。 兎は僕を見て、 「なんだい?道に迷ったのか?」 僕は首が折れる勢いで激しくうなずいた。 「そうか…なら一緒に行…」 「因幡~!早く出てこい~!」 また再び誰かの声がした。…とても怖い声だ… 「あぁ~早くしないと~!やっぱり自分で頑張ってー!」 そう言って、素早い身のこなしでどこかに逃げて行った。 「なんだったんだ…今の兎。」 僕は再び歩き始めた。 もう僕はヘトヘトだった。 もういつ倒れるか分からない状態だった。でも、自分は最後の力を振り絞って思いっきり走った。 その瞬間、急に霧が消えた。 それと同時に、自分の周りから、竹が1本も見えなくなった。 「やっと…出れた…」 少し体を倒して周りを見た。 そこは、昔から住んでいる自分でも全く見た事のない未開の土地だった… 3話に続く……
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