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「うぅ…………ん…?」
何かの裂け目に吸い込まれてから凄く長い間眠ってた気が…いや、気絶してたのか自分は…。自分は起きてすぐ周りを見渡した。
「!? ここは……」
僕は自分の目を疑ってしまった。
その場所は多くの竹で囲まれた森…いや、竹林(ちくりん)っていうのかな…
「神社の周りに…こんな場所が…?」
僕の神社の裏には少しだけだけ竹が生えているけど…こんなに多くは生えていないはず…
いや…そもそも僕は家に帰って来てばかりなのに…なんで…?
僕は自分の身に何が起こっているのか、全く理解出来なかった。
でも、このままここにとどまっていてはいけない…それだけは本能的に理解出来た。
「早く…戻ろう…。」
僕はこの竹林から出るために少しずつ歩き始めた。でも…なんでこんなに霧が…まぁいずれにしろ、歩いてたら出られるだろう。そう思っていたのは良かったのだが、いくら歩いても、いくら歩いても竹林に終わりは見えない。それどころか、より竹林の奥へと歩いているように感じた。全く終わりが見えない…。
「このまま無事に帰れるのかな…」
歩き始めてから大体、6時間…まだ終わりが見えない…僕は身体的にも、精神的にも限界が来ていた……もう…ここで終わるのも…悪くないかな…
「おぉーい、そこの人~どうしたの~」
後ろから突然誰かの声が聞こえた。僕は急いで声のする方に振り向いた。しかし、僕は驚く光景に腰が抜けてしまった。なんと、兎が2足歩行で歩いてる…さらに…その兎が……喋ったのだから…。
兎は僕を見て、
「なんだい?道に迷ったのか?」
僕は首が折れる勢いで激しくうなずいた。
「そうか…なら一緒に行…」
「因幡~!早く出てこい~!」
また再び誰かの声がした。…とても怖い声だ…
「あぁ~早くしないと~!やっぱり自分で頑張ってー!」
そう言って、素早い身のこなしでどこかに逃げて行った。
「なんだったんだ…今の兎。」
僕は再び歩き始めた。
もう僕はヘトヘトだった。
もういつ倒れるか分からない状態だった。でも、自分は最後の力を振り絞って思いっきり走った。
その瞬間、急に霧が消えた。
それと同時に、自分の周りから、竹が1本も見えなくなった。
「やっと…出れた…」
少し体を倒して周りを見た。
そこは、昔から住んでいる自分でも全く見た事のない未開の土地だった…
3話に続く……
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