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別に凪さんと二人きりなんてよくあることなのに、さっき晴希さんに『凪のことが好きなの?』と訊かれて、さらに自分でももしかしたら……という気持ちを見つけてしまったからか、意識してしまうあたしがいて。
この静かな空間に、どきどきと激しくなり響くあたしの鼓動の音だけが聴こえている気がして、何か喋らなきゃ、と思うけれど何も出てこなくて。
いつもはこんな風に沈黙になることはないのに。
普段は何を話していたんだっけ?
それすら思い出せない。
「どうかした?」
「え」
「何だかそわそわしてるね」
「……」
そわそわしているわけではないけれど、凪さんの言葉にうまく答えることすらできなくて。
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