恋心

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◇ 部屋に入るとひんやりとした空気が肌に触れて、凪さんはすぐにエアコンのスイッチを押した。 「先に風呂に入る?」 「え?」 「それとも……食べる?」 そう言って凪さんは手に持っていた箱をあたしに見せるように前へつき出す。 「えっと、それはなんですか?」 「ん? ケーキ。余ってたのがあったから持ってきたんだ。今日はイブだしね」 確かにイブだけれど。 「ケーキ、好きだろ?」 今までにケーキが好きだなんて言ったことはない。 「何、で?」
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