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「なんだか、恐竜惑星やジーンダイバーみてえだな」
田嶋の言う恐竜惑星やジーンダイバーと言うのは、NHK教育の番組。
天才テレビくんの30分枠内で放送されていたアニメである。
10分ほどの時間だったが、かなり内容は本格的な理論物理学や遺伝子学が投影されていた。
「なに? それ?」
「知らなきゃ、知らねえで良い。さすけねえ。ところで、なんだって俺んとこに?」
江名の目的も判らず、田嶋は訊ねた。
「うん、どうしてるかなあって」
「どうも、こうも。相も変わらず人間としちゃ役立たずよ。人見知りはするわ、仕事は出来ねえわでな」
肩を竦めるのは自嘲からか。
「地頭は良い筈なんだけどねえ」
「んな訳在るか。数学なんざ、赤点ばっかだったのに」
事実、田嶋の成績は極端であった。
五段階で、1から5まで揃っているのが通知表には刻まれている。
1の無い時も在ったが、それでも算数や数学は下から数えた方が早かったと言えよう。
藻葉芸高校の入試でさえ、数学を0点で合格したと言う人間だ。
その余りの酷さに、数学の担当教師が授業中のプリントを提出すれば赤点を免れる遣り方にしてくれたと言う伝説を持つ。
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