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「そりゃ、そうかもしれないけどさ……。んん?」
「どした?」
耳を澄ませているのか、江名は首を窓の方へと傾げた。
「火事、だね。それも、近く」
火事ともなれば、消防車や救急車。
パトカーが来る筈。
まだ、そうしたサイレンも赤色灯の灯りも見えなかった。
「ふうん、おっと。いけねえ、飯が冷める」
買ってきたコンビニ弁当、幕の内を出し。
まるか食品のペヤング、ソース焼きそばを出す。
「前えの方が味があるんだけどな、フタ」
ペヤングのソース焼きそばと言えば、シンクに麺が落下する麺ダバアとかソース先入れなど事故の多発する焼きそばでも有名だろう。
新しいペヤングは、フタがシーリングされた普及型へと変化しているのは御存知の通り。
湯切りを済ませソースを入れると、微かだがサイレンの音が聞こえてくる。
音からして、消防車だろう。
消防車のサイレンは、母音で言うなら[あ]。
警察車両と、救急車の方向転換する際のサイレンは母音で言うなら[う]。
「うん、消防車だな。恐らく、ここらをシマにしてる消防団だろ」
モゴモゴと飲み下してから、田嶋は言う。
「消防団?」
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