13人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほぼボランティアの民間消防隊だな。法律だと、火事ん時は一時的に総務省指揮下の公務員扱い。入団してると、こうした火事ん時には必ず呼び出される。確か消防法だかで、入団してたら火事の消火が最優先になった筈」
徳川幕府の八代目、中興の祖と言われる吉宗公の頃に設立された町火消しは。
現代でも消防団として存続している。
「町火消しみたいだね」
「まんま町火消しよ。定火消しや大名火消しが、消防署だな」
ペヤングとコンビニ弁当を腹に収め、田嶋はインスタントコーヒーを入れた。
「あ」
「派手だなあ。この燃え方、壁材とか燃え易い材料で建てたな」
現在の建築基準では、難燃性の建築材を使う事と震度7に耐えられる耐震基準が定められている。
「ん~~? 消えないねえ?」
「建物が火事ん時ゃ、なかなか消えねえよ。一軒家だけだって、大体3時間から6時間は見ねえとな。鎮火しても、火元の消防団は徹夜で焼けた家を見張んなきゃならねえしな」
消防署と近隣の消防団は、鎮火して2時間も経てば撤収がデフォ。
「それにしても……」
「じゃ、水が無えんだろ。消火栓や防火水槽か無えと、水が確保出来ねえしな」
最初のコメントを投稿しよう!