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野次馬として見に行っているのか、付近の住民が燃えている家へと向かっている様子。
「こっちに飛び火しなきゃ、関係無えしな。どれ、寝るか。江名よ、お前えは寝るところは?」
「無いよ」
当たり前の様に、寝るところが無いと言う。
「仕様が無えな。俺あ、押し入れで寝る。そっちは、布団で寝な」
「いいよ。そっちの布団だし」
固辞するが、そうなると寝る場所が確保できない。
寝なければ体のパフォーマンスも回復しないし、何より仕事に支障を来す。
「俺あ、眠いの。寝るの。夜更かしは、体が保たねえの」
この時間まで仕事か、と思いきや違う。
田嶋は、使い物にならないからか大概は定時で帰宅。
何をしてるかと言えば、居合の修業とテレビニュースを観て。
ネットをして、ネット小説を書くくらいしかしていない。
「布団にゃ加齢臭染み付いてっけど、我慢しろな。それしか無えんだから」
時間は、まだ夜の9時を過ぎた辺り。
田嶋にとって、寝るまでは後2時間くらいは余裕が在る。
「眠いとか言っときながら、まだ起きるのかい?」
「ま、11時ぐれえ迄はな。それに、ネットで速報ぐれえは流れるかも知れねえし」
デスクトップの電源を入れ、モニターに灯を灯す。
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