第1章

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教室の戸を開けたら、そこにはぽろんぽろんがあった。 このぽろんぽろん具合からいって、三日目といったところか。 もし、校長の好みなんだとしたら些か悪趣味かもしれない。 いや、ぽろんぽろん自体がどうと言う訳ではない。 政府の公式見解とも、何ら矛盾しない。 しかし、天井から鍾乳石のように垂れ下がった見事なぶるんぶるん、 その先にぽろんぽろん 狙って出来るものではないだけに、惜しい。 透明なぶるんぶるんの中では忙しなく黄金の螺旋が浮遊して床に光を投げ掛けている。 カレイドスコープ、万華鏡。 人工のそれらは、ぶるんぶるんの代用品に過ぎない。
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