2人が本棚に入れています
本棚に追加
昼休み。
私はチエに
ある作戦を話した。
「犯人を、捕まえる…?」
チエが小声で
私の言ったことを繰り返した。
「うん。犯人はきっと、みんなが帰った後、誰もいなくなったのを見計らって、机を運んでると思うの。
だから今日は放課後、犯人が現れるまで、隠れて待ってみようと思って!」
「隠れてって…、そんな、でも犯人に何かされたりしたら…」
「大丈夫。どこかに隠れて、携帯のムービーか何かで証拠を抑えるだけ。犯人の前に直接出て行く気はないから。」
「でも…」
泣きそうな顔のチエに
諭すように言った。
「本当にムチャはしないから!下校時刻になったら、ちゃんと帰るし。」
「う…ん…」
チエは少し俯いてから
パッと顔を上げて言った。
「…分かった!じゃあ私も一緒に残る!」
「ちょ、チエ!ダメだよ、これは私の問題なの。
チエに何かあったらどうするの!」
私がまくしたてると
「ううん、だめ!あゆちゃん1人でなんて、絶対だめ!
2人ならきっと、犯人に見つかったとしても、何とかできると思うの!
だから私も残る!!」
チエは
意外とガンコ。
言い出したら
聞かないんだ。
「…分かった。でも、無理はしないでよ?私から、離れないこと!」
チエがパッと顔を輝かせて言った。
「うん!大丈夫!あゆちゃんと一緒なら、百人力だよ!!」
最初のコメントを投稿しよう!