第1章

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昼休み。 私はチエに ある作戦を話した。 「犯人を、捕まえる…?」 チエが小声で 私の言ったことを繰り返した。 「うん。犯人はきっと、みんなが帰った後、誰もいなくなったのを見計らって、机を運んでると思うの。 だから今日は放課後、犯人が現れるまで、隠れて待ってみようと思って!」 「隠れてって…、そんな、でも犯人に何かされたりしたら…」 「大丈夫。どこかに隠れて、携帯のムービーか何かで証拠を抑えるだけ。犯人の前に直接出て行く気はないから。」 「でも…」 泣きそうな顔のチエに 諭すように言った。 「本当にムチャはしないから!下校時刻になったら、ちゃんと帰るし。」 「う…ん…」 チエは少し俯いてから パッと顔を上げて言った。 「…分かった!じゃあ私も一緒に残る!」 「ちょ、チエ!ダメだよ、これは私の問題なの。 チエに何かあったらどうするの!」 私がまくしたてると 「ううん、だめ!あゆちゃん1人でなんて、絶対だめ! 2人ならきっと、犯人に見つかったとしても、何とかできると思うの! だから私も残る!!」 チエは 意外とガンコ。 言い出したら 聞かないんだ。 「…分かった。でも、無理はしないでよ?私から、離れないこと!」 チエがパッと顔を輝かせて言った。 「うん!大丈夫!あゆちゃんと一緒なら、百人力だよ!!」
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