第1章

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「チエ、もう大丈夫だよ。きっと犯人も何かの気まぐれだったんだよ。 もう何もしてこないでしょ。」 心配そうなチエをなだめて 私たちは捜索を打ち切った。 「チエー、今日はどうする?」 放課後、ダイキがいつも通りチエを迎えに来た。 「ダイキ、私もう大丈夫だから、今日はチエと帰ってあげて?」 チエが口を開くより先に 私が言った。 「あゆ、本当に大丈夫? ていうか、一緒に帰るか?」 ダイキが心配そうに聞いてくれる。 「本当に大丈夫だから!この後ちょっと予定もあるし、今日は2人で帰って!」 「でも、あゆちゃん…」 渋る2人を無理矢理帰らせた。 それからしばらくは 何事もなく、毎日が過ぎていった。 そして それからちょうど一週間。 学生がみんな下校した 夜の校舎。 あゆの机は また ゴミ捨て場へと運ばれているところだった。
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