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やっと来れた…
教室の扉を開けるとクラスの皆が一斉に私の方を見て直ぐにまた各々の会話を弾ませる
うん、良かった
誰も気付かない。
「おはよー!ねぇ、この前のCDどうだった?」
覚えておいた席に座るとポニーテールの見るからに元気な女の子が私に声を掛けて来た
この子は……
「うん、良かったよ、もう少し貸してくれるかな?」
「でしょ?未来なら絶対に気に入ると思った~返すのいつでも良いからさ」
「有り難う」
「……ねぇ、お姉さん大丈夫?」
あぁ……思い出した、未来の一番の友達だ
良く楽しそうに自慢されたっけ?
「姉?」
「……ほら、病気のお姉さん」
「……うん、大丈夫」
まるで存在事態を表す様に私の耳元で小さく話してくる
「そう?あんまり無理しないでね?」
「うん」
無理?
未来が?
いつも楽しそうな未来が無理?
この子にどんな美談を話してたんだろう……
「あれ?未来……髪の毛……」
「……っ!!」
「戻したの?せっかく綺麗な茶髪だって自分で言ってたのに…黒髪に戻すの早っ……あ!先生来たみたい、また後でね?」
「…………」
長い髪を揺らして彼女は自分の席に戻って行く
茶髪だったのか……
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