第1章

3/5
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
その情報は知らなかったな 人の気も知らないで髪を染めて楽しくしてるから罰が当たるんだよ 「…………」 自分の綺麗な黒髪を手櫛で整えるとハラハラと白い髪が落ちてくる 落ちてくるのは白い髪だけ やっぱり全部は綺麗に染まらなかったか 周りが気付かなければいいや…また家に帰って染めればいいから 「先生……本当に私を殺したって姉は言ってたんですか?」 「……えぇ、未来ちゃん毎日来てくれてるのに…こんな話でごめんなさいね」 「いえ……」 先生は申し訳なさそうに謝ってくれるけど… 私は未来 普通の高校生だ 両親と双子の姉の4人家族で至って普通の家族 表面上は 子供の時、姉は誘拐された 家が裕福だったから身代金目的の誘拐だったらしく、捕まった犯人が『どっちでも良かった』と取り調べで吐いたらしい 私達は双子 仲が良くていつも一緒に手を繋いでた ただ…… あの日だけは私達は一緒に 居なかった 熱を出した私にお母さんがつきっきりで姉は仕事から帰ってくるお父さんを1階のリビングで待ってる筈だった その後はお父さんの大きな声と泣き出すお母さんしか思い出せない
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!