第1章

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「っくしゅ!」 さすがにちょっと 冷えてきた。 あれから3時間。 彼はまだ、現れない。 彼ったら、おっちょこちょいだから 待ち合わせの時間を間違えちゃったのかもしれないな…。 あ! それとも、もしかして 私へのプレゼント選びに 夢中になって 時間を忘れちゃってるとか…? ウキウキしながら待っていると それから10分ほどして ようやく彼が現れた! 「ゆうくぅぅ~~~ん♪」 こんなに可愛い声聞いたことないってくらい あま~~~い声で 彼にすりよっていった。 「ひぃ!」 私が待ってくれていたことに 驚きながらも喜んじゃってる彼。 かわいい♪ 「待ってたよ~!待ち合わせの時間に来ないんだもーん!」 ちょっとムクれたフリをしてみる。 本当は 怒ってなんかいないけどね。 計算、計算♪ 「誰が待ち合わせなんかしてんだよ!いつもいつも、オレが塾の日に待ち伏せしやがって…! 行きの時間ずらしたのに、なんで帰りの時間にもいんだよ! 気持ちわりーんだよ!触んな!!」 相変わらず 照れ屋な彼の、へたくそな愛情表現。 普通の女なら 嫌われてるって勘違いしちゃうかもね。 でも 私はちゃ~んと彼のこと、分かってあげてるから。 大丈夫♪ 「もー。分かった、分かった。ほんと、理解のある彼女でよかったね? さ、どこ行くー?」 彼の腕に自分の腕をからませようと 手を伸ばすと… 「ひぃぃぃぃぃい!」 嬉しさのあまり 彼は奇声をあげて 一目散に走って行ってしまった。 もー。 また、手もつなげなかった。 ほんと、照れ屋なんだから…。
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