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「っくしゅ!」
さすがにちょっと
冷えてきた。
あれから3時間。
彼はまだ、現れない。
彼ったら、おっちょこちょいだから
待ち合わせの時間を間違えちゃったのかもしれないな…。
あ!
それとも、もしかして
私へのプレゼント選びに
夢中になって
時間を忘れちゃってるとか…?
ウキウキしながら待っていると
それから10分ほどして
ようやく彼が現れた!
「ゆうくぅぅ~~~ん♪」
こんなに可愛い声聞いたことないってくらい
あま~~~い声で
彼にすりよっていった。
「ひぃ!」
私が待ってくれていたことに
驚きながらも喜んじゃってる彼。
かわいい♪
「待ってたよ~!待ち合わせの時間に来ないんだもーん!」
ちょっとムクれたフリをしてみる。
本当は
怒ってなんかいないけどね。
計算、計算♪
「誰が待ち合わせなんかしてんだよ!いつもいつも、オレが塾の日に待ち伏せしやがって…!
行きの時間ずらしたのに、なんで帰りの時間にもいんだよ!
気持ちわりーんだよ!触んな!!」
相変わらず
照れ屋な彼の、へたくそな愛情表現。
普通の女なら
嫌われてるって勘違いしちゃうかもね。
でも
私はちゃ~んと彼のこと、分かってあげてるから。
大丈夫♪
「もー。分かった、分かった。ほんと、理解のある彼女でよかったね?
さ、どこ行くー?」
彼の腕に自分の腕をからませようと
手を伸ばすと…
「ひぃぃぃぃぃい!」
嬉しさのあまり
彼は奇声をあげて
一目散に走って行ってしまった。
もー。
また、手もつなげなかった。
ほんと、照れ屋なんだから…。
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