第1章

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翌日、教室に行くと彼女は来てなかった。遅刻だろうか、珍しい。 しかし授業が始まっても彼女は現れない。これまで遅刻も欠席もしたことがないのに… 妙な胸騒ぎを覚えながら、クラスメートに聞いてみた。 「今日って、早乙女さん休みなのかな」 「…早乙女って、誰だ?」 耳を疑った。他の人や先生に聞いても、そんな人物はいないと答えられる。 その時、彼女が言っていたことを思い出した。私達吸血鬼には人の記憶を消す力がある、と。 もしかしてみんな、記憶から彼女が消えたのか?もしかして今までのが、僕の妄想で… いや、ここに彼女はいた。チクってする首筋のこの痛み…これが証明してくれている。
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