微睡

2/2
16049人が本棚に入れています
本棚に追加
/828ページ
息をする事を忘れる。 そんなキスは初めてだった。 軽く触れた唇。 そこに残る感触。 「もっと……いい?」 紳士の様な振る舞い。 でも、私の返答など聞かずに深いキスを落とす。 口内を隈なく確かめるように、 舌が何かを探すように。 それをただ受け入れる。 「……っあ」 零れる吐息に似た何か。 それを待っていたかのように、深い場所まで舌が入ってきた。 身体の中心が熱を持ち始めるには十分なキスだった。
/828ページ

最初のコメントを投稿しよう!