魔法少女認定試験

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「うぜぇ喋り方すんじゃねぇ! だからあんた誰?!」 「私の名前はウルトラスピリングリンティアミル。もちろん偽名さ」 「本名言えよ! この際状況の説明はもういいとして、せめて本名名乗れよ!」 「……私、ついていけないわぁ」  隣でことちゃんが呟く。そうだろうな、この中で一番状況理解できてないのことちゃんだろうな。私なんてこのやりとりでいくつか分かったぞ。目の前にいるバニーちゃんはどうしようもない変態で、頻繁に頬を赤らめてって熱視線やめろぶん殴りたくなるだろ。 「そんなことより、魔法少女認定特殊試験、第一関門は『変態を倒せ』だ!」 「自分で変態って言っちゃったよ。もうほんと大丈夫かこの人」  見た目からして結構いい歳なのに、こんなんじゃ誰ももらってくれないだろうに可哀そう。 「第一関門ってことは、まだいくつか関門があるということですか?」  ことちゃんの質問は確かに気になる。こんなに難易度高めの人を最初に配置しておいてこれでお仕舞いじゃ無いなんてちょっとこの試験合格するの難しくないかな。 「いんや、知らん。ノリで第一関門って言ってみたけれど、そもそもどこまで試験を用意してるのか、私把握してないし」 「いよし!! こいつ早くぶん殴って試験終わらそう!!」 「それについては私も賛成です」  余裕の表情で棒立ちしている変態バニーに向かって私とことちゃんは全力疾走する。私は攻撃系の魔法は未だ使えないのでぶん殴るしかないけれど、ことちゃんのほうは身体強化の魔法をいくつか自分にかけているようだ。 「おっ、そっちの子は強化魔法特化ですかな? 私と同じだ」  移動速度が上がる魔法を使っていることちゃんが私よりも先にバニー姉さんへ辿り着き、渾身の右ストレートを繰り出すが、それを容易く止められてしまう。 「一部石化のパーツロックとレベル1の俊敏強化ソニックの併用ですか。相手のレベルが同じであれば有効ですが、今の状況でその選択は及第点もあげられませんね」 「石化の一つ上の硬化、ハードロックですか。しかも全体硬化のフルハード。それに弱体も発動してますね」 「攻撃しながらも相手の魔法を理解する。それはいいことだが、魔法のレパートリーが少ないと対抗出来ないのだよ。ほれほれ、どうするどうする?」
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