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こいつふざけた格好してるのに、まともなこと言ってるだと!? しかも硬化と弱化の魔法、正に近接戦闘タイプの特徴だ。私の魔法とは相性が悪い。
「でも関係ねぇぇぇぇ!!! ぶっ潰れろクソバニー!!!」
私は姉から教わった転移魔法でその場にあった何が詰まってるか分からないでかい木箱や無数の机を、バニー姉さんの頭上へと転移させる。
(なお転移に成功しているのはでかい木箱だけで、ほかの机なんかはくっ付いて原型を留めていない)
「ロリ貧乳ちゃんは遠距離の支援魔法特化かな?」
ことちゃんがバニーから離れた瞬間、重力に引かれた物質の数々は勢いよく真下へと落ちていく。
「いよし!! ぶっ潰してやったぜ!!」
全然関係ないけれど、私さっきから口悪くないか? まぁいいか。
「ですが、まだまだ赤点ですね」
降り積もった瓦礫を吹き飛ばし、中からバニーちゃんが出てくる……
と思ったが、私の予想を裏切って出てきたのは紺色のスーツを着た綺麗なお姉さんだった。やれば出来るじゃないかあの人。
「遊びはここまでです。そろそろ真面目に試験をしてあげます」
その顔にさきほどまでの緩んだ表情はなく、凍てつくような瞳が印象的な恐ろしい顔になっていた。そうか、これがこの人の本当の姿か。
「先手必勝です」
俊敏だけでなく軽量化もかけてより素早く移動し威力をあげながら攻撃を仕掛けるタイミングを窺うことちゃん。
「まずは相手の出方を見る、か……それもいいが、しかしまだまだだ」
周りを高速移動していたことちゃんがお姉さんの後ろを取って全力の右フックをかまそうとしたそのとき、まるで時間が止まったかのように何もかもが停止した。
「アイスブレス」
瞬間、世界が凍りつく。壁や床に面した全ての物質はことごとく氷漬けになり、空気さえも凍ってしまいそうなくらい室内の温度が急降下する。私は浮遊で空中に逃げたが、ことちゃんは凍りに捕まってしまったらしい。
「うっ……くっ、動けないっ」
首から下を凍らされてしまったことちゃんは、為す術もなくその場で戦いの様子を眺めることしか出来なくなってしまった。使えない奴め!
「さて、目障りな奴も動けなくなったし、君はどう攻撃してくる?」
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