魔法少女認定試験

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 いつもと変わらない時間に起きた私は、いつもと同じように体に引っ付いたそれを叩き起こす。 「おーい。朝だよー。起きてー」  遠慮気味に叩いて起こすが、中々起きないので、今度は遠慮なく叩く。 「おーい。早く起きてー。今日私遅刻できないんだから」  それでも起きない妹に、私はぼそりと呟く。 「早く起きないとその胸揉んじゃうぞー」 「是非とも揉んでくださいまし!」  妹は目を輝かせて起き上がる。  ……あんたずっと起きてただろ。 「さぁさぁさぁ、早く揉んで下さいお姉様! 自慢ではないですけれ ど、私のおっぱいは柔らかくて揉み応え抜群ですよ!」  そう言って上半身裸になる妹。 「うわー! 何してるのよ! さっさと服着なさいよ!」  私は両手を顔の前で交差させ、見ないようにする。  今日は大事な日だから、こんなところで精神攻撃受けてる場合じゃないのに。 「私達姉妹じゃないですか。何を恥ずかしがってるのですかお姉様」 「そりゃ恥ずかしいでしょ! 他人のものなんか普通は見ないし!」 「他人なんて言わないでくださいよお姉様」  甘えたような声で擦り寄ってくる妹。 「誰か助けてー!」  私はご近所迷惑なのは百も承知で叫ぶ。じゃないと何か大切なものを 失いそう。 「あんたら朝から何やってるのよ」  そこで救いの手が伸びる。  部屋の扉が開かれていて、廊下にはお姉ちゃんが立っていた。相変わらず寝癖酷い。 「お姉ちゃん! 助けて襲われる!」 「襲っていません。同意の上です」  妹の目が怖い。そんな目をした奴誰が信じるか馬鹿! 「そう、ならいいんだけど」 「納得しないでよ! 明らかに襲われてるでしょ! 私の貞操危機一髪だよ!?」 「朝ごはんが出来るまでには終わらせないさいよ」  お姉ちゃんは寝癖が酷い頭をかきながら行ってしまう。 「さて、燐姉のお許しも出たことですし、二人でたっぷり楽しみましょうね。お・ね・え・さ・ま」 「いーやーだー!」  朝から戦闘不能に陥りつつある私。  ああ、今日は大事な試験の日なのに。
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