魔法少女認定試験

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 妹は私から離れ、会場脇にある別棟へと向かう。あの棟が認定試験実行委員会本部らしい。  一人取り残された私は、一度深呼吸をしてから会場の受付へと向かう。 『魔法少女認定試験受験者の皆様。試験受付残り三分となりました。まだ受付を済ませていない方は、お急ぎ受付を済ませてください。繰り返します――』 「優雅に歩いてる場合じゃなかったー! 急がなきゃ!」  私は受付がある会場入り口へ走り出す。  魔法少女への一歩を踏み出すために。  会場内は駆け込みで来た子も多く、受付の前はかなり混雑していた。いらいらして背中から火が出てたり闇のオーラ纏ってる子とかいるし、こういう風景を見て驚かないくらいには、私も魔法少女やってるんだなって思う。正確にはまだ魔法少女じゃないけれど。 「あらあら、随分とまぁ遅い登場じゃない。ノーマジックガール」 「……えっと、誰でしたっけ、あなた」  なんだか見覚えの全くない少女に話しかけられた私は、すっごいジト目で相手を見る。 「お、覚えてないの!? あんな衝撃的な出会いをしたと言うのに!?」  いやほんと誰? 私の知り合いにこんな情熱的な赤の似合う炎系魔法少女いないけれど。ホント、ダレダロウネ。 「あっ! その目本当は私のこと覚えてるんでしょ! 人をからかうのもいい加減にしなさいよね!」 「はいはい。それで、いきなり絡んできてなんの用? 銅名さん」 「この銅名家の一人娘が直々に話しに来てあげているのになんですかその態度! いい加減にしないと燃やしますよ!」  銅名家ねぇ。確かに歴代多くの魔法少女を輩出している家系の一つだけれど、どうしてもこのチンチクリンがそんな名門のお嬢さんに見えないのよねぇ。……あとあの縦ロール、意外と似合っててむかつく。引っ張ってみょんみょんして遊びたいわぁ。 「まぁ冷静でいられるのも今のうちです。今年の試験は得点が張り出され、順位がつけられるのですから! その時にあなたの屈辱でぐずぐずになった顔を拝めますわ! うふふふふふ」  不気味すぎる笑い声を残して銅名さんは去って行った。縦ロールみょんみょんしとけば良かった。まぁまた数時間後に会えるらしいからその時でいっか。
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