魔法少女認定試験

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 私は自分の髪をみょんみょん(練習しとかないとね!)させて遊びながら受付で案内された部屋に入ると、そこには数名の少女が既にいた。そっか、この子達が私と同じグループかぁ。みんなちょう暗いな!  扉近くの椅子が余っていたので、遠慮なく座らせてもらう。すると目の前にはなんだか見たような衣装を着た少女がこちらを見ていた。 「あなた、まさかノーマジックガール?」  石のような無表情で話しかけてきたその少女の瞳だけやけに輝いているのが分かった。なに、私別にそういう気ないんですけど。止めてくれます私で妄想するの。ほんと迷惑。 「魔法使えないって本当?」 「いやいや、魔法使えなかったらここにいないから。私そんな恥辱で快感得るような変態じゃないから」  魔法使えないのに魔法少女試験受けるとか頭沸いてるとしか思えない。まぁでもほとんど魔法使えなかったりする子とか、覚えたての付け焼刃な魔法で挑む子とか、昨日みっちり練習してそれっぽい派手な魔法が使えたりする子とかいるだろうし。魔法使えないのに来ちゃった子とかいるんだと思う。ははっ、ブーメランちょう痛い! 「そう……でも特徴はすごい似てるんだけどなぁ。推定身長149センチ、小学生でも通用しそうな童顔に藍色の髪、つるつるぺったんですっとんとん」 「最後ただの悪口だよね? そうだよね?」  ふざけんな誰がつるつるぺったんすっとんとんだ。ちゃんとよく見れば微かな膨らみが二つあるわ。 「それって、誰が言ってるの?」 「えっ? 編咲さんとか、銅名さんとかそのあたりだったと思うよ」  あいつらだって対して変わらん胸のくせに。私知ってるんだから、あいつらの乳は偽物だって。  そんなことはさておき。  私がほとんど魔法を使えないのは事実。そしてそれは今年の魔法少女認定試験を無事合格できたとしても変わらない真実なのだ。今後それで私が直接困ることは少ないが、私が魔法を使えないことで間接的に困る人が出てくる。 「でもでも、本当に魔法が使えない人が合格したら、新人研修は一緒になりたくないですよねぇ」 「……」
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