魔法少女認定試験

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 そう。この試験に合格してもそれは書類審査が通ったようなもので、その後に行われる新人研修という名の振るいにかけられ、ランクを付けられる。新人研修で与えられる最高ランクは準三級。そこから四級、五級、六級、七級と分けられるが、しかしどんなに才能のない者でも七級が与えられるわけではない。ここで「なんでこいつ認定試験合格したの?」と疑われるレベルで魔法が使えない子は、無魔法少女という名誉ある(皮肉)称号を与えられ、二度と認定試験を受けられなくなるのだ。これは魔法少女の家系に生まれた人間にとって最大の屈辱であり、汚名なのだ。  私が銅名さんに無魔法少女と呼ばれるのは、昔銅名さんのお家に遊びに行ったときに「私まだ魔法使えないんだ」と口を滑らせてしまったことが原因だ。それ以来銅名さんは私を無魔法少女、ノーマジックガールと呼んでいる。  まぁ私はどう呼ばれようが別に気にしていないけれど。 「それでは第23組17名、試験の準備が出来ましたので移動します。試験番号順に並び、一列で付いてきてください」  部屋に入ってきた中年男性に言われ私達(相変わらず暗いなぁみんな)は探り探り列を作ると、のろのろと後についていった。 「第23組の皆様には筆記試験からとさせていただきます。回答が終わった人から魔動力および魔法力試験に移り、最後に実技能力試験となります。試験は約三時間程度で終わります。その間トイレもおしっこも行けないので、行きたい人は今のうちに行って下さいね」  トイレとおしっこは別物だろうか。いや同じだよね。言葉としては違うけれど意味自体はほとんど同じだよね。それともあれかな、大きい方と小さい方を分けて言ったのかな。まぁそうだよねおしっこはなんだか言いやすいけれどあっちはなんだかちょっと言いにくいよね。女の子だと特に。よし、そうだと思っておこう。あれ? でも言ってるの中年の男の人なんだけどなぁ。あっ、私達に配慮してくれたのか! なんだぁこの人すごく気を使える人なんだぁ! だったらトイレとおしっこは分けて言わないでほしかったなぁ! これで私が「すいませんトイレ行っていいですか?」なんて言ったらそう解釈されちゃうじゃないですかぁ!
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